なぜ創業融資なの?

開業時に多くの経営者さまを悩ます開業資金の問題ですが、自己資金が不足している場合は、他の金融機関のハードルが高いこともあって、どうしても創業融資頼みとなります。


他方、開業資金を自己資金でまかなえる場合であっても、創業融資を利用するのが、開業してからのことを考えますと、とても有効となります。


お金が必要になったら融資を受ければいい…と開業しますと、開業後3年ほどは審査のハードルがとてつもなく高くなるのが現実で、借入できる可能性がかなり低くなる、非現実的となるため、いざ必要…というときの保証はない状態となります。


資金ショートは本当に恐ろしいことです。経営の根幹を揺るがしますので、経営していくうえでのハイリスクを抱えてしまうことになります。


開業すぐから絶好調に高収益を継続できるのでしたらまだ良いのですが、それほど経営はあまくないことは皆さまがご承知のとおりです。


とくに開業後の資金力が弱い時期に、資金ショートを防ぐためにも、開業時はできる限り借入でまかない、自己資金や調達可能資金は手元に残すことが重要です。借入にかかる利息などは、万一のときのためのコスト(保険料)だと割り切ってください。


無借金経営がいつでも100点ではありません。特に中小企業にとって借入を上手く利用することのほうが重要です。開業時から開業後数年間であれば、なおさら借入を計画的に利用する必要があります。



金融機関にとっての優良企業とは?

金融機関から見た優良企業とは、現金預金が潤沢にあるところです。その際に勘違いしやすいのですが、そのお金が銀行借入によるお金であったとしても、計画にもとづく借入資金によりますが、プラス評価される「お金(キャッシュ)」にすることも可能です。


将来さらに資金が必要となったときに使えるように、手元に資金を残しておくのではなく、将来さらに資金が必要となったときに「手元資金は使わずに借入することができるように」、手元に資金を残しておく必要があるとも言えます。


さらに、開業後しばらくは信用力がありません。借入があることによって信用力が上がるという一面もあります。


少なくとも貸してくれた金融機関からは「貸すことができる先だ」という評価を得ていると、専門家からは見られます。



こういった理由により、開業資金は「創業融資」を利用することが重要となります。